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全国の球児必見!!
現役プロ野球選手を指導する
やり投げオリンピアンの投球術

オリンピアンとしてアテネ、北京、そしてロンドンの3大会に出場し、世界陸上で銅メダルを手にした経験を持つ元やり投げ日本代表、「村上 幸史」さん。

彼は現在、京都にあるパーソナルジム「Y-TRAINING」でトレーナーとして活動する傍ら、その卓越した身体操作の知識と経験を、今度はプロ野球選手たちに伝授しています。競技の垣根を越えて、なぜ彼の指導が注目を集めているのか。その秘密に迫ります。

やり投げ選手が投球術を教えられる理由

村上さんは、やり投げ選手としての経験を野球指導に活かせる理由を、身体の連動性と使い方に対する深い理解にあると説明します。
 

村上:陸上競技、特にやり投げでは、全身の筋肉と関節を効率的に連動させることが極めて重要です。記録向上には、「身体の構造」や「力の連動性」を理解し、実践に活かすトレーニングが不可欠です。

この身体の使い方に対する理解は、野球のピッチングを含む様々なスポーツに応用できます。投手の動作を例にとると、足の踏み込みから始まり、腰の回転、肩の開き、腕の振り、そして手首のスナップまで、一連の動作がスムーズに連動することで、球速、コントロール、投球の質が向上します。

 

私は、現役時代に体感した「連動性」を分析し、指導のポイントとして活用しています。選手個々の特性に合わせて、改善すべき連動性を見極め、アドバイスを提供します。時にはやり投げの技術を応用して、体の開き方や腕の軌道、リリースポイントなどを調整することもあります。競技は異なっても、人間の身体の仕組みと動きの原理は共通しています。だからこそ、異競技出身の私でも投球指導ができるのです。

―身体の連動性を意識し始めたきっかけを教えてください。

村上:「現役でいる限り記録を伸ばし続けたい」という思いがきっかけです。やり投げ選手の身体的ピークは20代後半と言われますが、私は29歳から34歳まで毎年自己ベストを更新しました。

その秘訣が「身体の連動性」にあります。20代後半が身体的にはピークでしたが、力の流れをより上手く利用することで記録は伸びると考え、連動性を意識した練習に励んだ結果、実際に記録を伸ばし続けることができました。

 

―指導の中で連動性の重要性をどのように伝えていますか? 

村上:指導の際には、自身の経験を踏まえつつ、連動性の重要性を具体的に伝えるよう心がけています。技術や体力の向上はもちろん大切ですが、それと同時に身体全体の動きを意識することが重要であると強調しています。

やり投げを例に挙げると、助走から始まり、クロスステップ、そして投擲動作に至るまで、全ての過程で身体各部が密接に関連し合っています。足の踏み込みのタイミング、腰の回転、肩の開き、腕の振り、そして最後の手首のスナップまで、これらの動作が滑らかに連携することで、最大限の力をやりに伝えることができるのです。

この連動性の概念は、実はやり投げに限らず、あらゆるスポーツに応用可能な原理です。野球の投球やバッティング、テニスのサーブ、ゴルフのスイングなど、様々な競技で人の身体が持つ最大限の力を発揮するためには、身体の連動性が不可欠なのです。 

連動性を意識した投球フォームとは

村上さんは、投球指導をする際、エネルギーの流れを「水風船」にたとえます。選手の身体を水(エネルギー)が詰まった風船と捉え、投球動作中のどこから「水が漏れている」かを見つけることがポイントだと説明します。
 

村上:この「水漏れ」が連動できていない部分を示します。連動がうまくいかないと、怪我のリスクが高まり、最大限のパフォーマンスを発揮しにくくなります。関節には自然に曲がる方向があり、無理に曲げると負荷がかかります。しかし、野球では時にこの負荷をかける動きを正しいと指導するケースがあります。体に負荷をかけないと力が出ないと考える人もいますが、私の指導は逆です。「力を入れるところで抜く」ことが、身体の連動性を意識する上で重要だと考えています。

―「力を入れるところで抜く」とはどういった考え方でしょうか? 

村上:ピッチングでは、多くの人が肩より先の「腕」に力を入れて投げています。球速アップやコントロール改善を目指すと、つい腕から指先に力が入りがちです。

 

実は、ここに連動性の大きなポイントがあります。腕から指先を脱力した方が、下半身から上半身の連動で生み出されたパワーをそのままボールに伝えられるのです。この「力を入れるところで抜く」という概念は、一見矛盾しているように感じるかもしれません。しかし、人体の能力を最大限に発揮するための重要なポイントです。

力を入れるべき部分ではしっかり筋力を使い、他の部分ではリラックスすることで、無駄な力を使わず効率的な動きが実現できます。これを日頃から意識することで、身体への負担が少ないフォームに改善され、コントロール向上だけでなく、怪我の防止にも繋がります。

―ピッチングにおいて、他に意識すべきところはありますか?

村上:「ボールを握ること」について、もっと繊細な意識が必要だと考えています。実は、人間は握るよりも「引っ掛ける」動作の方が得意なんです。例えば、鉄棒にぶら下がる時を想像してみてください。多くの人は指を引っ掛けるようにしてぶら下がりますよね。握っているとすぐに疲れてしまいますが、引っ掛けると長く耐えられます。これは、身体の末端で力をコントロールしようとすると、逆に負荷がかかりやすくなるということを示しています。

野球のボールはたったの150gしかありません。この軽さを活かして投げるためには、繊細な力のコントロールが必要です。軽いものだからこそ、より神経質に扱わなければならない部分があるのです。

重要なのは、この軽さを感じ取り、身体全体を使ってコントロールすることです。ボールを握る際も、単に力を入れるのではなく、この「引っ掛ける」感覚を意識し、体全体でボールをコントロールする意識を持つことが、より効果的な投球につながります。

動画をもとに実際の指導を解説

実際に村上さんの投球指導の様子を、阪神タイガース所属の佐藤蓮投手に指導した際の動画をもとに、解説していただきました。

― 佐藤投手のフォームのどの辺りに改善点を見つけましたか?

村上:彼の場合は下半身、その中でも特に股関節の使い方に問題がありました。腕の筋力が強い分、そこに頼ることで球速とコントロールを補おうとしているのが見てわかります。

そこで下半身の使い方に重点を置いたトレーニングをすることで、力の伝わる感覚を覚えてもらうことから指導することにしました。

これは「エネルギーの置き方」を理解するためのトレーニングです。

ピッチングにおいては、軸足で生じた「前に進むエネルギー」を上半身に伝える必要があります。そのためには、左足でしっかりと止まることが重要です。

例えば、ゴムを持って一点を支点に片方を引っ張るとゴムが伸びます。それを放すと支点に引っ張られて反対側に飛んでいくのがエネルギーの流れです。

ピッチングも同様に、前に進んで投げることが基本です。体全体が一緒に前に進んでしまうと、腕力だけで投げることになります。そこで、支点となる「止まる動作」がエネルギーを上半身に伝えるために大切な要素になります。

Training. 1

次は先ほどの「止まる動作」によって生じたエネルギーを上半身に伝える感覚を掴むためのトレーニングです。このトレーニングでは、まず上半身を完全に脱力させます。
そうすることで、踏み込んだ際に生じたエネルギーが自然に上半身に伝わり、その結果として腕がスムーズに動くようになります。
この一連の動きが、エネルギーの流れを上半身に伝える感覚を養うのにとても重要になります。

Training. 2

Training image-2.jpg

―その他に指導の際に意識していることはありますか?

村上:トレーニングにおいて、自分の感覚を押し付けることは一切ありません。むしろ、「どれだけ選手の感覚に寄り添い、入り込んでいけるか」が私の強みだと考えています。

そのため、一人ひとりに対して異なるアプローチを取り、その選手や個人に合ったトレーニング方法を考案しています。これにより、各選手が自分の最大限のパフォーマンスを引き出せるようにサポートすることを常に意識しています。

選手一人ひとりの特性や感覚を理解し、それに合わせた指導をすることで、より効果的なトレーニングが可能になると信じています。

今後の目標について

村上:私のトレーナー人生の目標は、選手が輝きを放つ瞬間を共に迎えることです。

スポーツの世界では、その輝きが一気にトップアスリートとしての成長へとつながることがあります。選手が自身の限界を超え、成果を挙げる姿を見ることが、私にとっての最大の喜びです。


スポーツの楽しさや健康的な体づくりのサポートを通じて、彼らが日々の生活で活力を感じ、自信を持てるようになることを願っています。初心者の方にとっては、スポーツの楽しさと共に技術の向上を促進し、ダイエットを目指す方々には、健康的で持続可能な方法で体重管理をサポートします。

Y-TRAININGとは

村上さんが所属している『Y-TRAINING』には、元陸上日本代表選手のトレーナーが複数在籍しています。
トップアスリートの知識と技術を用いて、一般の方から高齢者、トップアスリートまでの身体づくりと健康をサポートしています。

高効率のトレーニングと先進のリハビリ技術で、個々のニーズに応じてパフォーマンス向上と健康増進を実現。
その革新的で合理的なトレーニング法で、日常生活から趣味の運動、更にはトップアスリートを目指す方まで、一生涯にわたって活用できる体と知識を提供するジムです。

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